夢想神伝流とは

 ( 流 祖 )中 山 博 道 先 生
 剣聖・中山博道先生 (明治6年生、昭和33年没)が流祖とされております。


 中山博道先生は、剣術は根岸信五郎 (神道無念流第6代)の 有信館に入門して第7代を継承する。神道無念流の剣術にも立居合が付属するが、独立した居合術は土佐の下村派の流れをくむ細川義昌 (居合抜刀術の始祖、林崎甚助重信から第17世)に大森流および重信流を学び、長谷川英信流を森本免久身 (土佐の16代五藤孫兵衛の門下生)に学ぶ。


 細川義昌は門外不出の無雙神傳英信流抜刀兵法を中山博道に誓詞を差し入れさせて伝授する。博道先生は昭和5年、林崎居合神社に「神伝重信流18世」と書した額を奉納している。しかし自らは昭和14年、宮崎神宮にて「夢想神伝抜刀術」と称して演武を行った。


 中山博道先生の死後に門弟達により「夢想神伝流」と称するようになった。 夢想神伝流は初伝を「大森流」、中伝を「長谷川英信流」、さらに奥伝を「重信流」と分類されまして、それらを総称して「夢想神伝流」と称している。


 中山博道先生は居合始祖以来の第18世宗家となるも、特に奥伝 (重信流)については人前では技を抜くことは決してなかったといわれます。そして中山博道先生は、長男中山善道にも高弟の橋本統陽などの門人にも宗家は伝授していないので、現在にも夢想神伝流の宗家は不在です。


 また、中山博道先生は大日本武徳会 (戦前)より剣道範士、居合道範士、杖道範士を授かる三範士として有名です。又、戦後、全日本居合道連盟より名人位を受けている。


<初伝 ( 大 森 流 )>
1.初発刀 2.左刀 3.右刀 4.当刀 5.陰陽進退 6.流刀 7.順刀 8.逆刀 9.勢中刀 10.虎乱刀 11.抜刀
<中伝 (長谷川英信流)>
1.横雲 2.虎一足 3.稲妻 4.浮雲 5.山 6.岩浪 7.鱗返 8.浪返 9.滝落 10.抜打
<奥伝 (重信流)(立膝)>
1.向払 2.柄留 3.向詰 4.両詰 5.三角 6.四角 7.棚下 8.虎走 9,暇乞1,2,3
<奥伝 (重信流)(立業)>
1.人中 2.行連 3.連達 4.行違 5.夜の太刀 6.五方切 7.放打 8.抜打 9.隠れ捨 10.弛抜
<太刀打之業>
 省 略